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編集長のズボラ料理(800) 手羽元と大根の煮物

濃い味付けの方がいい

 中華料理店で、必ず酢豚を頼む遍路仲間がいる。ポピュラーな料理が好きなんだろうと思っていたら、どうも違う。中華料理には何でもかんでも、酢をかけていることに気づいた。特に焼きそばの系統には、ほぼかける。
 酢自体が好きなのだろうと考えたが、微妙である。すしが好きかというと、そうでもないからだ。回転ずしに行くと、中トロとサーモンとイカしか食べない。ネタはいくらでもあるし、イクラだってあるではないか。
 では、「中華料理には酢」という組み合わせは一般的なのだろうか。確かに、店のテーブルの上には、酢が用意してある。ギョウザに酢が不可欠でもある。
 僕の場合、中華焼きそばにはカラシを使う。でも、考えてみると、なぜ焼きそばにカラシなのかは、判然としない。お好み焼き屋さんの焼きそばの時には、カラシには結びつかない。やっぱり、紅ショウガを添えたい。
 結局、料理に加えるものにルールはない。酢大好きメンバーの妹家族は、酢ではなくトウガラシ系統の薬味が大好きだ。以前、香川県まんのう町のうどん屋さん「谷川米穀店」に案内したことがある。大変気に入ったようだったが、その理由はテーブルの上に置いてあったトウガラシベースの薬味だった。家族の1人は、いつも粉トウガラシ持っていると言っていた。冗談のような気もするが。
 僕の後輩は、コショウを持ち歩いていた。店で食べる際、カバンから取り出してかける。ラーメンなら店に用意されているので、マイ・コショウは必要ないが、カレー屋さんの場合は,俄然うれしそうな顔をして、かけまくる。その異様な光景をみたことがある。そんなコショウ人間がいるのだから、トウガラシ人間がいたとしても不思議ではない。
 今回は酢を使う。大根は皮をむいてぶつ切りにし、米のとぎ汁でゆでる。柔らかくなったら取り上げ、水で洗っておく。鶏の手羽元に包丁で切れ目を入れる。鍋にだしをとり、大根と手羽元をじっくり煮る。味つけはみりん、酒、しょうゆ。しばらくしてから酢も入れる。煮汁がなくなるくらまで煮て、味を強くつける。
 娘夫婦は酢が好きだ。特にユズ酢。大阪駅前の商業施設「KITTE」に、高知県の物産を置いている店がある。馬路村や北川村のユズ酢も売っている。1度買って、土産にあげた。それに味をしめて、僕が大阪に行く機会があると、さりげなく言う。「もし、KITTEに行ったら買ってきて」。そして、心にもないことも付け加える。{お金を払うから」(梶川伸)2025.05.12 

更新日時 2025/05/12


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