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編集長のズボラ料理(820) ジュレ天丼

ジュレは細かい方が見映えがいいかも

 また、また。またである。「テレビで見た」という家族の一言。
 「作れ」とは言わないのだが、「見た」は.、うちでは「作れ」と同義語である。
 面倒くさいことこの上ない。ただ今回は「夏らしいから」の言葉で、少しやる気が出た。簡単そうだし。
 見たというのは、ジュレを使った天丼だった。何ーんだ、である。メーンの天ぷらは買ってくればいいじゃないか。あとは、天つゆを固めてジュレにすればいいだけだろう。
 スーパーではさまざまな天ぷらを売っているが、僕はお得なセットになっているものを買う。ご飯に乗せる時には、しきたりがある。2人でじゃんけんをして、勝った者が好きなものを1つ選んで乗せる。次に負けた者が1つ。またじゃんけんをして、同じことように乗せ、天ぷらがなくなるまで繰り返す。
 実際のじゃんけんになると、次のようなことになる。1回戦で僕が勝っても、エビ天は取らないで残す。相手が好きだからだ。次に僕が勝っても、イモ天には手を出さない。その代わり、相手が決して取らない紅ショウガ天は積極的に選ぶ。
 このように、僕が取らなかったり、相手が取ったりで、勝負が終わる。結局は、じゃんけんをしてもしなくても、毎回ほぼ同じ天丼になる。
 ジュレを作る。鍋で強いだしをとり、みりん、酒、しょうゆで濃い味をつけ、ゼライスを加えて煮る。容器に入れて冷やし、さらに冷蔵庫で固める。ジュレとは言っても、その実態はゼリーだから、簡単簡単。
 固まったものを、スプーンでかき出して天丼に乗せる。「ゼリー乗せ」より「ジュレ乗せ」の方がおしゃれな響きがあるので、ジュレ天丼と名づけて悦に入っていると、思わ展開となった。「テレビでは、ジュレはもっと細かかった」と文句が出た。そのくらいの違いはええやなか。そう思ったが、口に出さなかった。
 次の展開があった。ご飯の熱で、ジュレが溶け始めた。やがて、すべて溶けて、普通の天丼になってしまったのだ。何ためのジュ天丼。細かいジュレだったら、もっと早く先祖返りしていたかも。それも口には出さなかった。
 何かが間違っていたのかもしれない。ゼライスではなく、別のもので固めたのかもしれないが、ズボラ料理はでは大したことではない。僕はテレビ番組を見ていないのだから仕方ないあないか。それも口にはしなかった。(梶川伸)2025.08.31
 
 
 

更新日時 2025/08/31


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